
大学院教育の改善、向上をめざす企画です。
教員・院生(いずれも専攻不問)共に参加可能です。
平成18年度
ポスター(.pdf) |
FD研修会
「奈良女子大学で学問する」 |
日時 |
2006年7月31日(月)13:30分〜15:30 |
場所 |
F棟2階 生活環境ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ中会議室 |
登壇者 |
宇佐見香代氏(埼玉大学教育ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ学校教育臨床講座 助教授) |
趣旨 |
本学出身の研究者に、本学ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ・大学院での学習歴・研究歴と現在の奈良女子大学との学問的関わりを語っていただきます。
♯1時間程度のプレゼンテーションの後、参加者とのディスカッションを予定 |
<報告>
宇佐見先生は、本学においてムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ、大学院、教務補佐、助手として計20年間過ごされた。ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ時代、教員志望であった先生は教職科目を勉強する中で、教育学への興味を培われた。大学院において研究を始めてからも、教師になることと研究することで迷うこともあったが、「やりたい」ことを研究するということから、「やるべき」ことを研究するという態度の転換によって、研究意欲を支えてきたという。ここには、使命感や責任感を伴うということであり、気分に左右されないという強さがあるという。この間、毎年学会発表をすることを講座の約束事として努力されてきたことや、先輩や後輩との演習において発表やc議論をする中で研究を深化していかれたことをお話くださった。これらのことは、大学院生の参加者に大変役立ったと思う。
また、FDについて、学習権についての長年の研究からの示唆として、現在のFDというと、「学生にわかりやすい授業の方法」というのがよく議論されるが、これは、「教授法」の開発であって、本来学習者である学生の中でどのように知識やアイデアが構築されていくのかといったことに焦点化したような、「学習法」を踏まえた議論になっていないという反省点が挙げられた。これについては、現在の学生を前に具体化する際の方法論に今後の課題があるということで、議論がなされた。
これら以外にも、さまざまな内容の濃い2時間となり、教員・学生ともに、学習と教育について学びあえた会となった。
(文責/文ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ 人間行動科学科 教育文化情報学講座 西村美紀)

ポスター(.pdf) |
FD研修交流シンポジウム
「FDと院生支援 −アメリカでの経験から」 |
日時 |
日時:2006年10月4日(水)14:40〜16:40 |
場所 |
F棟5階 大学院会議室 |
登壇者 |
菊澤佐江子(生活環境ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ講師)
別府春海(スタンフォード大学名誉教授) |
趣旨 |
本学教員の菊澤氏と、長年スタンフォード大学で教鞭をとられ退職後の現在も同大で教えておられる、別府春海氏をお招きし、アメリカの大学での院生支援の様子を、女性院生の教育研究指導も含めて、様々な側面から日本との比較を交え、語っていただきます。 |
<報告>
最初に、菊澤さんから、院生支援について、1990年代にインディアナ大学博士課程で過ごした経験をもとに学生の立場からフレッシュな話題提供を15分間してもらい、質疑応答を10分程おこなった。次に、別府先生から、スタンフォード大学を事例にして、1950年代からの大学院の変容と特徴についての話題を教員の立場から45分程してもらい、質疑応答を45分程おこなった。別府先生には、日米比較対照の視点と女性院生への支援の動きの話題を織り交ぜて話していただいた。
インディアナ大学での院生支援の中心は、他大学と同様、経済支援とキャリア支援にあること、多くの院生が学期毎の授業料の免除と月々の生活費を得て、学生生活を送っていること(こうした制度があるので学生はいくつかの大学院に入学願書を出して受入の決まったところから条件の良い大学を選んで進学す
る)、こうした制度には、基本的にFellowship(授業料・生活費の給付生)が中心になるが数が限られているので入学前後に、院生はTA(Teaching Assistant), AI(Associate Instructor非常勤講師にあたる), RA(Research Assistant)の機会を掴む努力をしなければならない。他に、教育ローンがあり、主に各大学
にあるCredit Union(信用組合にあたる)が就職まで無利子で貸し出しすることがある。院生は既婚者が多く、キャンパス内に生活していて、キャンパス内の保育園などを利用できる。
スタンフォードの事例からみると、大学内に研究所が医学系を除き35あり、それぞれが予算の一部を院生のための経済支援をFellowshipの形でしている。教育上は、ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘと大学院は同じ先生が教えている。大学院生は、自分が卒業した大学以外の大学の大学院に進学する(どの大学も)。スタンフォードの人類ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ(Department学科と訳すこともある)では、入学志願者の競争率は常に10倍あり、選考は書類のみ、博士課程の学生も加わっている。課程は、修士課程と博士課程の二本立てで、ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘの卒業生は自分のキャリアに合わせてどちらかに進学する。修士課程の修了者が、博士号を取得しようとしたら、最初から博士課程に入り直す。修了までの平均年数は8年(5年〜8年)。
ファカルティデベロップメントをスタンフォード大学ではしているのかの質問に「教授法・学習法支援センター」でのワークショップはあるが組織的な取り組みはないとのこと。
アメリカの事情がわかってよかった、光の部分しか話がなかった、本学の参考にはならなかった、時間をもう少しかけて話題提供するとよかった、などのアンケート回答があった。
話題提供者以外の参加者は22名、そのうち本学・院生8名、教員13名、職員1名であった。


(文責/社会生活環境学専攻 共生社会生活学講座 佐野敏行)
ポスター |
FD研修交流会
「大学院で学んだこと、学ぶべきこと」 |
日時 |
平成18年12月21日(木)14:00〜16:00 |
場所 |
生活環境ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ中会議室 |
パネリスト |
都築和代氏
(独立行政法人 産業技術総合研究所
人間福祉医工学研究部門 環境適応研究グループ長) |
趣旨 |
本学出身の都築和代氏をお迎えし、本学ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ・大学院で学び、研究したことやその後の留学の経験と現在の研究とのかかわりについてお話していただくとともに、今後の大学院教育についてご意見をいただきます。都築和代氏は現在、人の温冷感・快適感などの感覚や評価,体温調節反応,睡眠,および高齢者の住宅熱環境についての研究に従事しています。
また、ISO TC159SC5WG1(国際標準/人間工学,温熱環境)のエキスパートやJIS(工業標準)の専門委員,学会の理事や英文誌副編集長,委員会幹事等も務められています。
最後に参加者からの質疑応答、参加者との交流の時間をとります。 |
<報告>
本研修交流会は2006年12月21日(木)14:00〜16:00、生活環境ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ中会議室において、独立行政法人産業技術総合研究所の都築和代氏を講師に迎え開催した。都築氏は本学ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ、大学院修了、学位取得後、PD、工業技術院(当時)研究員、カルフォルニア大学への留学、産業総合研究企画主幹を経て、現在、環境適応研究グループ長として研究と若手研究者養成にも深く関わられている。大学院時代、私にしかできないことは何?と考え悩んだことや、研究を続ける・働き続けるためには何が必要か、また、結婚・出産と研究との両立の実際についてお話しいただいた。また、大学院教育について、組織・体系的な指導はあるかとの問題提議もなされた。さらに、研究者として論文を書くことの意義についてお話された。
パネリスト以外の参加者は26名であり、そのうち本学学生・院生16名であった。
(文責/生活環境ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ 藤平眞紀子)
ポスター(.pdf) |
FD研修交流会
「EQ 心の知能指数を知っていますか
−充実した大学院生活のためのヒントとコツ−」
|
日時 |
平成19年1月29日(月)16:30〜18:00 |
場所 |
本学事務本部棟3階第1会議室 |
パネリスト |
講師:豊田直子氏(松下電器産業(株)人材開発カンパニー
グローバル経営研修センターマネジメント研修チーム、臨床心理士) |
<報告>
将来への不安等から悩みを抱えやすい時期にある大学院生が、心身の健全さを維持しながら無理なく向上してゆくための方法に関するセミナー形式の講演会であった。
キーワードである心の知能指数(EQ)とは、「自分の本当の気持ちを自覚し尊重して、心から納得できる決断を下す能力」のことである。ストレスの原因になるような感情を制御し、楽観を捨てず、他人と共感し、協力しあうための4つの能力(=自己認識/自己管理/対人理解/対人スキル)からなる。この能力を向上させるには、特に「自己理解」が重要であるが、多くの人はこの作業を苦手としている。
そこで本研修では、理論的な理解に加え、ワークシートに記入したり出席者同志が話し合ったりして、実際に自己認識を深める方法が示された。冒頭に、ペアワークによって身体と気持ちをほぐす時間も設定され、主体的に参加できる和やかな雰囲気の会であった。
FDの面では、次の2点が特に参考になった。
1)自他が互いに肯定しあいながら、物事を進めることの重要性。これは、教員と院生との関係にもあてはまる。
2)参加者の緊張をほぐし、積極性を引きだして、双方向的に講義やゼミを進める方法の例示・実践。
参加者:本学大学院生約20名、教員等7名
(文責/社会生活環境学専攻 社会・地域学講座 小川伸彦)