
大学院教育の改善、向上をめざす企画です。
教員・院生(いずれも専攻不問)共に参加可能です。
平成19年度

ポスター(.pdf) |
大学院FD研修会
「魅力ある大学院
:進学希望者は何を求めているのか?」 |
日 時 |
2008年2月19日(火)15:00〜17:30 |
場 所 |
奈良女子大学F棟2階 中会議室 |
報 告 |
藤倉雅之氏
(河合塾 新教育事業本部 キャリア教育事業部・部長)
「開かれた大学院の創出」
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<報告>
FD部会(部会長・栗岡幹英)では、2008年2月19日(火)に「魅力ある大学院:進学希望者は何を求めているのか?」というテーマ設定の下、研修会を開きました。講師は、河合塾・キャリア教育事業部長の藤倉雅之さん。ベストセラー『大学院へ行こう』(講談社現代新書)の著作がある、「大学院進学」指導のカリスマです。この藤倉さんから「開かれた大学院の創出」という題名で話題提供いただきました。
(以下、講演要旨)
大学院の大衆化が叫ばれる今日、院生数は大幅に増え、研究科の名称は約5百もあります。大学院も多種多様な学びの場になりました。専門職大学院も花盛りです。ごく最近の院進学者数を調べると、全体的に微減であるのに対し、女子は微増しています。むろん、多様な年齢層の院生を含んでの数字ですが、女子院生には市場の可能性が残っています。
女子大・女子大学院では、次の4点に配慮することが不可欠です。@安全・安心・快適なキャンパスを確保すること。親御さんの一番の関心事です。A卒業・修了後こそ、OGを丁寧にフォローすること。OGが周囲に母校への進学を薦めてくれることが最大の強みです。B就職先を確保すること。地域社会や企業との全学的な連携が必要です。C女性支援事業などで、男性と対等であることを意識させること、の4点です。
また、地方都市に立地するディメリットを自覚して下さい。進学者の多くが都会、特に東京の大学・大学院に進学する現実を直視して下さい。よほどの魅力がなければ、地方に受験生は集まりません。「奈良」でしか学べない、「奈良」で学びたいと学生が考える分野を、今後、充実させるべきです。たとえば、@自然環境を活用できる分野、A国際的な歴史都市という強みを出せる分野の強化です。むろん、BIT環境の整備は不可欠です。
そして、長期的には、上記のような魅力づくり、短期的には、外部に対する魅力的なアピールに努力する必要があるでしょう。ライバル校を研究するのも、大切です。各種受験データを総合すると、奈良女のライバルは、お茶の水女子大と大阪市立大です。魅力的なアピールという点で、お茶大と奈良女のHPを比較してみましょう。各ページの構成、情報の出し方で、お茶大に軍配が上がります。ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘと大学院の組織の「流れ」「導線」の提示も、やはり、お茶大が上。奈良女のHPのリニューアルは急務です。
「プライドだけは高い奈良女」とは、よく耳にする評判です。この大学院を魅力的にするには、外部に積極的にアピールする「開かれた大学院」にする必要があります。先生方にも、学外と連携し、外部にアピールする仕事が求められているのです。
(以上、要旨)
質疑では活発な議論がなされ、有意義な研修会となりました。勉強会的な集会でしたので、参加者こそ多くはなかったのですが(21名)、副学長、研究科長、ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘ長ほか、本学のリーダー格が揃って、ご出席でした。今回は大学院が対象の研修会でしたが、「ムヌヨ゙ヘィ_ヨミケフ蟯ハヘホィメサケルヘの充実が大学院の充実につながる」という藤倉さんの言葉も印象的でした。
(
文責: 社会生活環境学専攻 社会・地域学講座 内田忠賢)