生物科学コースについて
コースの紹介
20世紀に生物学はめざましい発展を遂げました。遺伝子の構造が解明され、細胞の微細構造と細胞小器官が営む機能、生物個体の発生、生理、行動、進化などについての多くの謎が次々と明らかにされてきました。しかし一方で、現代文明は地球規模の環境破壊を招き、おびただしい数の生物種を絶滅の縁に追いやり、人類自身の生存をも脅かそうとしています。この様な時代にあって、遺伝子から地球生態系に至るあらゆるレベルで展開されている生命現象を、科学の目で冷静かつ的確にとらえ、21世紀を担う人材が要求されています。生物科学コースでは、分子・細胞から個体・集団の幅広い視野に立って生命の本質を追及し、独創的な発想と柔軟な応用性を兼備した人材の育成を目指しています。
本コースは三分野制をとり、幅広い生物種を実験材料とし、多彩な生命現象を対象として研究しています。各分野の内容は以下の通りです。三つの分野は互いに連携しながら、独創性ある研究を行っています。
分子細胞生物学分野 > 講座一覧
分子細胞生物学分野では,生物に本質的な現象を分子や細胞のレベルで研究し,生体分子や細胞が生物をいかに特徴づけているかを理解しようとしています。具体的には,細胞間相互作用と有性生殖,染色体構造,生体膜形成と膜輸送,単細胞生物から多細胞生物への進化,光合成生物のレドックス応答などを研究しています。こうした研究は,細菌・酵母・藻類・原生生物・植物などを材料にして,分子生物学・生化学・細胞生物学・ゲノム解析・細胞イメージング・電子顕微鏡といったさまざまな手法を使って行われています。
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個体機能生物学分野 > 講座一覧
個体機能生物学分野では,生物がどのように機能しているのかを理解するために,多角的なアプローチによる研究を行っています。具体的には,植物の形態形成や環境への応答,細胞小器官の増殖や分化,動物の生理機能の制御メカニズムや光感覚,脳形成メカニズム,線虫・昆虫の行動最適化機序などについて研究しています。これらの研究は遺伝子工学,生理学,分子生物学,組織学,行動学などの様々な手法によって,細胞や個体レベルでの解析が行われています。
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生態学分野 > 講座一覧
生態学分野では,個体から生態系までさまざまスケールで生物を捉え,生活史・進化・生物間相互作用や群集構造に関する研究を行っています。対象としている生物は,海域・陸水域の無脊椎動物,陸域の昆虫や植物と多岐にわたっています。野外における調査研究,室内実験,得られた情報の解析,また理論モデルの構築を行い,基礎研究から保全などの応用研究まで,生態学の諸問題に取り組んでいます。
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